330 亡父の受けた援助と他の相続人の受けた贈与が争いになった事案
事案の概要
・Xが当事務所依頼者、Yが遺産分割の相手方、Aが被相続人
・●は、相続人、被相続人ではなく、既に死亡している人、
・○は、相続人、被相続人ではなく、生存している人
・横線は婚姻関係を示し、縦線は親子関係を示す(実線が実親子、点線が養親子)
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- 被相続人(A)は、依頼者(X)の祖母
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- 被相続人が無くなった直後に依頼者(X)の母(B)が死亡したため、依頼者(X)と、依頼者の母(B)の兄弟(Y)との間で遺産分割協議を行った。
- ①
- YがXに対して遺産分割調停を申し立てた。
- ②
- 遺産は不動産のみ。
- ③
- Yは「不動産は自分が取得する。代償金は支払わない。理由は、BがXから多額の援助を受けており、これが特別受益になるため、Bの相続分はないから」と主張していた。
- ④
- Xは、当初は別の弁護士に依頼をしていたが、その弁護士の事件処理に不満があったため、当事務所に弁護士を変更した。
争った点と当事務所の事件処理
①争いになった点
裁判所で争いになった点は、Yの主張(AからBへの多額の生前贈与があるから、Xに代償金を払わなくてもよい)が認められるかという点でした。
②受任後の処理と結果
当事務所では、Yが提出した証拠を細かく検討して、Yの主張が認められないことを丁寧に裁判所に説明しました。
裁判所は、当事務所の主張を認め、「審判になったら、Yの主張は認められない」と考えてくれました。そこで、裁判所がYに対して、「Xに対して代償金を支払わなければいけない。」と説得し、その結果、YがXに代償金を支払う内容で調停が成立しました。
以上